類似標本の比較検討 標本No.BTS-007
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標本、BTS-007A,B,C はいずれもピンク色を呈した傘をもつ大型のイグチであるが、アカジコウで済まされていることが多いのではと推測される。肉眼的、顕微鏡的所見を比較してみた。

bts007A bts007B bts007C
ピンク色を呈した傘を持ち、柄が黄色く明瞭な網目がある点では共通している。 BTS007A のみ柄下部の赤みが強い。
管孔の青変は強い。 管孔の青変は弱い。 管孔の青変は強い。
柄表面は青変する。 柄表面はほとんど青変しない。 柄表面は青変する。
傘肉のみゆっくり弱く青変。 傘肉のみゆっくり弱く青変。 傘肉のみ青変。
傘表皮菌糸構造は、3 標本類似している。

検鏡図の比較

傘表皮先端細胞:各標本とも類似した形状大きさ。側シスチジア:BTS-007B,BTS-007C に大きさにばらつきがあるが縁シスチジアが混じっている可能性がある。 縁シスチジア:各標本とも類似した形状大きさ。 柄表皮シスチジア:BTS-007C の物は明らかに他2 標本とは異質。 胆子器:BTS-007C の物はひとまわり大きい。 胞子:BTS-007A に縦長の物が多数見られる。

スイス図鑑にはB.speciosus の縁シスチジアは狭紡錘形、類円錐形の物が描かれており、各標本のどれにもあてはまらない。したがってB.speciosus ではないと思われる。007C の柄シスチジアはヨーロッパのキノコ掲載B.pseudoregius の検鏡図、写真のものに近い。他2 標本はB.regius にほぼ一致しているが、007B の胞子サイズが小さい点が疑問に残る。

試薬反応比較表

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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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