サイトを始めるにあたって 2008.9.1

2008年夏より、イグチ科キノコの記載を始めました。数年前から生態写真、標本写真のみを記録してきましたが、やはり写真だけでは正確な同定はできません。2008年春から検鏡の勉強を始め、イグチ科キノコの詳細を記録した自分なりの図鑑文献を作ろうと思い立ちました。とあるキノコ写真家の方に一部を見ていただきましたところ「研究者から何かしらのアクションがあるかもしれないからwebで公開したらどうか」と勧められ、このサイトを始めることにしました。

夏場のイグチは腐るのが早いといったことは周知の通りですが、何度、胞子の採取に失敗し、どろどろに溶けたキノコとその周りで蠢くウジ虫を見てきたことでしょうか。幸い私のフィールドは自宅から車で15分から40分のエリアに集中しているので、こんなこともやってみました。(写真左右)現場で胞子を採取するのです。2日後には思惑通りこのイグチは腐ることなく大量の胞子を落としてくれました。

ただ一つ悲しいことがあります。イグチは美味しそうに見えるのか、こうして置いておいた幼菌を採取していってしまう人がいるのです。ドロボー!そのときはキアミアシイグチだったのですが、持っていったその人は果たして食べたのでしょうか?苦いキアミアシイグチを口に入れた感想を聞いてみたいものです。「いつかニガイグチモドキで復讐してやる!」と心に誓ったのですが、残念ながらその林にはニガイグチモドキは発生していない・・・

ニガイグチモドキといえば、ひとつ面白いことが・・。9月に入ると私のフィールドに向かう途中の道端でキノコを売っているおじさんがいます。どんな物があるのかのぞいてみると、おじさんが言いました「これはイグチの仲間」と置いてある数種類を指さすのです。

ん?なにやら孔口が紫がかったものもあるじゃないですか。「ぎょへえー!ニガイグチモドキだ!おいおいオッサンそんなもの堂々と売ってるんじゃねえ!」と思いましたが、おとなしい性格の私はなんとなくごまかしてその場を引き上げました。今度みかけたらきちんと教えてあげよう・・・



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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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