赤変するイグチ

ブナ林に発生する赤変するイグチの標本を数点入手しました。肉はゆっくり時間をかけて比較的強く赤変しますが「気分はきのこ」で指名手配となっている「赤変イグチ」と同じ種かどうかは分かりません。

最大の特徴は赤変すること、柄表皮に黄色い粒(おそらくシスチジアの固まり)をまとう点ですFig3。赤変は鋭利なカッターで切断するとそれほどでもないのですが、肉をピンセットの先で傷つけると数分後には血のような赤に変色しました。Fig4

ここのところ、実はXanthoconiumウツロイイグチ属かもしれないムラサキヤマドリタケやウツロイイグチの標本を数多く見てきていますが、それらと傘表皮の質感、菌糸構造、匂い、胞子紋色等、数々の共通する点が見いだされ、Xanthoconiumである可能性があるのではと思っています。が、柄表皮に粒をまとう点から、Leccinumヤマイグチ属である可能性もあります。ヤマイグチ属をほとんど検鏡したことがないのでこれもまた課題の一つとすることになります。

Fig 1 Fig 2 Fig 3
Fig 4 Fig 5


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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