刃物研ぎ

2ヶ月ほど前から包丁の研ぎ方を勉強しています。検鏡の合間の気分転換ということで始めたのですが、これが大変楽しいものでありまして、熱中しすぎて本末転倒にならぬよう気をつけなければなりません。

fig1は棚の奥に眠っていた包丁で「正本」の刻印があり、そこそこいい包丁らしいです。 fig2は研ぎ上がりです。知人の板前N氏(そば屋)に助言をいただき、指から血を流しながら*1)研いだのですが、研ぎあがった包丁を見てもらったところ「刃線のカーブに修正の余地があるが、刃そのものは丁寧に研げている」という評価をいただきました。fig3は刃先の拡大ですが、どのような状態ならば良い刃なのかは、まだよく分かりません。

一見、きのこの研究とは何の関係もない事のように思えるかも知れませんが、実は関係があるんです。最終的には、日本カミソリや西洋レザーを研げる技術を習得することを目標としていますが、その技術を切片作成に生かす計画なのです。

*1)指を切ったわけではありません。砥石表面に指先が擦れ、皮膚が指紋に沿ってひび割れるのです。修行中の板前は必ずこれを経験して、研ぎの角度を身につけるのだそうです。板前N氏に「言われたとおりに研いだら出血した」と伝えたら「懐かしいなあ」と感慨深げでした。

蛇足:板前N氏曰く「素人が研いだ包丁はすぐに駄目になる」と当初は半ば馬鹿にした態度でしたが、研ぎあがった包丁を見るなり「この正本、俺にちょうだい」と態度が豹変しました。

fig1 fig2 fig3


前へもどる次へ
牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










無料カウンター