カミソリを研ぐ

良い切片を作るには良い刃物を使うことが大事です。通常は市販の使い捨てカミソリで十分に良い切片が得られますが、ただいま、理容師が使うカミソリを究極まで研ぎあげれば使い捨てカミソリを超えるものにならないかと試行錯誤しています。「切れ味がよい」というのは具体的にどういう状態なのかというと刃先の厚さが薄ければ薄いほど「切れ味がよい」といえるのではないでしょうか。

カミソリの切れ味を見る指標には「髪の毛をわずかな力で輪切りできる」「髪の毛を縦に切り裂くことが出来る」というのがあります。これは「刃先が、髪の毛の組織間に潜り込めるほど薄い状態」であることと考えています。研ぎの最終仕上げには皮砥と研磨剤を使いますが、皮砥の材質、研磨剤の粒度、研ぎの圧力とスピード等の要因により、どこまで刃先を薄くできるのかが課題となります。

fig3は西洋カミソリの刃先ですが、肉眼では鏡面仕上げに見えても顕微鏡レベルでは中砥石の傷が沢山残っていることが分かります。fig5は髪の毛を縦に切り裂いている動画で、fig6は髪の毛を輪切りにしている動画です。

fig1
西洋剃刀(左)と日本剃刀(右)
fig2
自作の皮砥
fig3
西洋剃刀の刃先
fig4
髪の毛を縦に切り裂く様子。
動画 wmv
fig5
髪の毛を輪切りにする様子。
動画 wmv


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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