キチャワンタケ

現在「数年間を費やし大量に標本を作製するプロジェクト」に関わっています。先日はウラジロモミ樹下にキチャワンタケが沢山発生していましたので採集しました。子嚢菌の採集と同定に関しては全くの初めてのことですが、橙黄色の子実体で緑変性があるということで比較的同定が容易であると思われます。

子嚢の大きさは100以上 x 9ミクロン程度、長こん棒形で非アミロイド、側糸は糸状で太さ3-4ミクロン程度、子嚢胞子は球形で平滑、子嚢の中に8個あり、直径は(5.4-)5.8-6.4(-6.8)ミクロン(n=50)でした。子嚢菌の文献は一切所有していませんが、http://chawantake.cool.ne.jp/data/Caloscypha_fulgens.htmlや、http://simocybe.sakura.ne.jp/ki-chawan-take.htmの記載とほぼ一致しています。側糸の太さの記述が若干異なりますが、たまたま太い所を見てしまったのだと思われます。

このプロジェクトではDNA解析も行う予定で、DNAバッファー(Fig.7)に切片を保存することになっています。昨年の愛媛フォーレの同定会場でDNA採取の作業が行われていたので、ごらんになった方もいるのではないでしょうか。

fig1 fig2 fig3
fig4
子嚢胞子
fig5
子嚢
fig6
側糸
fig7
DNAバッファー


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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