顕微鏡のメンテナンス

年末年始に顕微鏡のメンテナンスを行いました。自分一人で丁寧に扱ってきたつもりなのですが、3年以上の時間が経過したため一応チェックしてみようと思ったのです。とりあえず分解出来そうなところまでやってみました。

裏蓋をはずすと光量調整用電子回路の基板があります(Fig.1)。ここは光学的にどうのこうのといった箇所ではないので軽くホコリを吹き飛ばす程度です。ランプハウスをとりはずずと(Fig.2)、集光レンズ(と思われる)、熱吸収フィルタ(と思われる)、拡散板が組み込まれており、これらを一応、軽く拭いてみたところ、とくに汚れている感じはありませんでした。

視野絞りと投影用レンズ(と思われる)プリズムが組み込まれたユニットも同様に問題なしでした。色温度変換フィルタとNDフィルター(内蔵でないもの)は、むき出しですのでホコリをぬぐう程度にクリーニングしました。

次はコンデンサ。油浸で使用することがあるため、日頃からレンズ面は注意してクリーニングしてきましたが。それ以外の箇所が油で若干ぺたぺたしていました。ここまでの感じをみると、コンデンサ内部のレンズが汚れていることはないと判断し、またコンデンサそのものを分解するのは高度な知識と技術が必要になると思われたため、汚れをふきとるていどでおさめました。

想像以上に汚れていたのが対物レンズです。10-40倍の乾燥系レンズの先端を直接触ったり、試料に当ててしまったりということは無かったはずなのですが、もっとこまめに見ておくべきだったと後悔するほどのよごれでした。とくにひどかったのが40倍レンズです。まるで錆のように見える汚れがこびりついていました(Fig.3)。10倍レンズは、作動距離が数センチと長いため、汚れることはないだろうとたかをくくっていましたが、甘かったです。レンズ前玉にまでフロキシンが飛び散った形跡がありました(Fig.4)。これらを実体鏡でのぞきながら念入りにクリーニングしました(Fig.5)。

最後は一番難しそうな三眼鏡筒部です。やはり特に汚れているとは思えませんでしたが、分解の際にうっかりプリズムを触ってしまいましたので(Fig.6)、入念に拭き取りました。拭きムラがでないほどにするためには、クリーニングペーパーを山ほど使う必要があると聞いていましたが、まさにそのとおりで、使用済みクリーニングペーパーがみるみるうちに山になっていきます。プリズムを完全に取り外して見ることも考えましたが、難しそうなので中断です。

何時の頃からか、10倍レンズで暗視野照明を使ったときにフレアが発生するようになりましたが、原因を特定してきませんでした。今回クリーニングすることによりフレアがなくなり良好な状態となりました。

Fig.1 Fig.2 Fig.3
Fig.4 Fig.5 Fig.6


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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