アンモニアでの呈色反応

きのこの肉眼的呈色反応を調べる際、アンモニアといえばアンモニア水溶液を指します。化学式はNH4OHです。揮発性が高く刺激臭が強いことはよく知られています。揮発性が高いとは言い換えれば、H2OとNH3に分離されやすいということなのですが、この性質は呈色反応を見るときに注意すべき点となります。きのこの表面にアンモニアを垂らした瞬間に、水滴部分以外の範囲がアンモニアの蒸気で反応してしまうのです。

Fig.1はアンモニアを垂らした直後の写真ですが、右上の傘表皮、右下の柄表皮、左下の柄肉は明らかに褐変しているのが確認できます。しかし、左上の傘肉と管孔は、水滴部分とその周りの色が同一で反応があったのかよくわからない状態となっています。

こういった場合は、アンモニアを垂らす前の写真と比較するとよくわかります(Fig.2)。左上の傘肉と管孔は、弱く黄色に変色していると確認できます。

Fig.1 Fig.2 アニメーションGIF


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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