ここのところ、イグチではない菌の標本をいくつか検討しています。傘表皮やシスチジアといった各組織には、イグチでは見られない形態の物があり興味深いです。

Fig.1-3はMycenaの縁シスチジアと傘シスチジアです。これらは厚壁であるという特徴を持ちますが、Fig.1は輪帯照明、Fig.2は「なんちゃってリアルタイム深度合成」を使用しているため、壁が厚い様子が表現できていないです。オーソドックスな明視野照明ではFig.3のように壁が厚い様子が確認できます。

Fig.4はシロアリの巣から発生するTermitomycesの仲間で側シスチジアです。100μmはあろう大型のシスチジアですが、あまりに大きいので最初に見たときは何かの間違いではないのかと思ったほどです。国内に於けるオオシロアリタケの記載では「側シスチジアは無い」とされているようですが、さてこの結末はどうなることでしょう。