ポジティブコントロールとネガティブコントロール

初めて実験する分類群のきのこのDNAサンプルでは、どのような試薬(プライマー)を使えばDNAを増幅できるのか不明なことがあります。実験の結果、うまく増幅できていない場合には、試薬の組み合わせが適切でないこともありますが、機器の設定(温度変化の温度や時間)が適切でないという原因も考えられます。

「この試薬の組み合わせで必ず増幅されるDNAサンプル」と同時に実験することで作業工程が妥当なのかをチェックする方法がありますが、「必ず増幅されるDNAサンプル」をポジティブコントロールといいます。ポジティブコントロールが正常で、他がだめだった場合は試薬の組み合わせなどを検討し直す必要があります。ポジティブコントロールを含めすべてだめだった場合は機器や試薬に異常があると判断します。

一方、ネガティブコントロールはDNAサンプルを入れずに試薬のみでPCRをしてみることです。DNAサンプルが入っていないのにDNAが増幅されてしまう結果となったならば、何かがコンタミしているということです。空気中の、あるいは器具や手に付着した菌類であることが多いようです。



袖口や頭髪がコンタミの原因かもしれない!(写真と本文は関係ありません)


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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