冷凍乾燥標本

冷凍庫で乾燥させるとどうなるのかという実験を昨年11月に開始し、今年の5月に結果の1部を書きました。「覚え書き:冷凍庫で乾燥 」でコガネタケは冷凍庫の中でも生命活動を継続し、胞子を落とそうと傘を広げることが明らかとなっています。Fig.1

次の課題は冷凍乾燥標本は顕微鏡観察に耐えうるのか?ですが各組織を見てみると、良好な状態であると確認できました。写真はFig.3傘表皮の細胞、Fig.4担子器、Fig.5胞子、Fig.6つばの細胞となっています。ざっと見た感じでは真空冷凍乾燥に近く、担子器などの組織は熱風乾燥のように縮んでしまうことなく生標本を見ているかの如くよい状態を観察できます。

胞子は数多く見られましたがコガネタケは冷凍庫という異常な環境であったにも関わらず胞子を作ることができるといえます。つばにも胞子が沢山付着していました。冷凍前の写真Fig.2を見る限りでは、生の時点では胞子を落としていないように見えます。もしも冷凍庫内で胞子が落下したのであれば、胞子落下メカニズム「ブラーズドロップ」に合致しない現象ということになります。

Fig.1 Fig.2 Fig.3
Fig.4 Fig.5 Fig.6


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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