Marasmiusで特訓

これまで自身で専門としてきたのはBoletusですが子実体が大型であるため切片作成は比較的容易でした。観察したい部位を5ミリ角程度に切り出してからピスにセッティングしますが、それほど繊細な作業ではないからです。

ここのところ、とある必要に迫られてMycenaなど極小のきのこの検討をしなくてはならないのですが、本番に入る前に練習用の標本で特訓を実施しました。最大の難関は標本をピスにセッティングする作業です。

Fig.1は使用した標本です。Marasmiusの1種ですが、傘の大きさは1ミリといったところでしょうか。まずピスに挟めるように平らに変形させます。乾燥標本をいきなり押しつぶすと粉々に砕ける可能性がありますので、エタノールでわずかに湿らせてから押しつぶします(Fig. 2)。

実体鏡下でなんとかピスに挟んでしまえば難関突破です。あとはいつも通りに切片をつくり観察します。Fig. 3が切片の全体像。倍率を上げながら傘表皮を見ます(Fig. 4-6)。Fig. 7-9は縁シスチジアに向かって倍率を上げたものです。指状突起が付着したシスチジアを初めて観察しましたがなかなか面白いものですね。

Fig.1 Fig.2 Fig.3
Fig.4 Fig.5 Fig.6
Fig.7 Fig.8 Fig.9


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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