西日本のイグチ

恒例となっている北陸3県合同観察会ですが、今年は福井県での開催でした。北陸とはいえ開催地の敦賀市近辺は西日本といって差し支えない地理的位置にあります。地元の方の言葉は関西弁のようですし・・・。当然、長野では見られない種が採集されました。

Fig.1は、俗にシロヤマドリタケと呼ばれているものですが、孔口は菌糸で塞がれるStuffed poreではなく、ヤマドリタケの仲間とするには無理があるように思えます。この標本は地元の施設に収めるということで持ち帰ることはできませんでした。「所蔵されたまま誰も調べない」ということにならぬよう願っています。

Fig.2は、全く未知の種で国内の記載には該当するものがない可能性が高いです。

Fig.3は同定会場に持ち込まれた滋賀県大津市産のニセアシベニイグチです。新菌類図鑑には傘の色が薄い紅色を帯びることがあるとされていますが、まさしくそれに該当する変異と思われます。ニセアシベニイグチには東日本と西日本に別の系統のものが存在するのではないかと疑っていますので各地の標本を収集したいところです。

敦賀市近郊にはアキノアシナガイグチが沢山発生するそうです。今回の最大のターゲットでしたが、残念ながら採集することはできませんでした。

Fig.1 Fig.2 Fig.3


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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