Basal clamp

基本的にイグチの菌糸にはクランプがないので、担子器やシスチジアの基部にBasal clampがあるのかを気にしないで顕微鏡を見ることが多かったのですが、菌糸にクランプをもつ分類群を見る機会が増えてきた現在でも、うっかりするとクランプを見逃してしまうことがあります。まだ習慣として身に付いていないのでしょう。

担子器の基部にクランプが間違いなく存在したと自分で納得するためには、最低でも1カット、クランプが明瞭にとらえられた写真を撮影します。顕微鏡のピントを送りながら「クランプと思われるものがあったが、写真にはうまく写らなかった」では、後で、ホントにそうだったのか不安になってしまいます。

担子器の基部は注意を以て丁寧にほぐしていかないと、根本に接続した菌糸から離れてしまったりしますので、そういった場合には、クランプがあるのかどうか判断できないということになってしまいます。根気を要する作業です。標本の状態によっては、最低限必要な写真を1カット撮るためだけに数時間を要することもあります。個人的な観察記録ならば「よくわからなかった」で済ます場合もあるでしょうが、ちょっとそういうわけにいかない状況なのです。ちなみに納得できる写真とはFig.1-3のようなものです。

Fig.1 Fig.2 Fig.3


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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