模様が無い?

先日の学会大会で、オニイグチの研究で知られる佐藤博士とお話しすることができました。近々、キクバナイグチに関する論文がオンライン出版されるとのことで、プリントアウトしたものをいただきました。

佐藤博士に「キクバナイグチの胞子には表面に細かい刻み模様がありますよね」とお聞きしたところ「そのようなものは存在しない」とのことで、確かに論文に掲載されたSEM画像には、刻み模様がありませんでした。

「光学顕微鏡だと模様があるように見えるのでは?」とのことでしたので再度写真を確認しました。Fig.1は光学顕微鏡で見たものですが、刻み模様は立体的な構造をしていると見て取れます。考えられることは以下の2つ。

1)刻み模様の外側に平滑で透明な膜が存在する。
SEMは対象の表面のみを見ているので、もしも透明な膜があれば刻み模様を可視化することはできないでしょう。

2)そもそも、違う菌を見ている。
そうであれば同一の標本でSEMと光学顕微鏡の比較をしなくてはなりません。

Fig.1


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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