菌糸のゼラチン化 2

イグチの管孔(子実層托)がどのような構造をしているのか日本語で解説された文献は存在していないのではないでしょうか。簡単に書くと表面から内部の順番で、子実層、子実下層、側層菌糸、中層菌糸となっています(Fig.1)。

ちょっと前の記事「菌糸のゼラチン化」において、幼菌と老成した子実体の側層菌糸を比較して「菌糸はゼラチン質になって消失してしまう」と考察しましたが、実際に菌糸が消失していると思われる例が見られました(Fig.2)。担子器や側シスチジアは健在ですが側層菌糸のみやせ細って途切れてしまっているように見えます。

ひょっとしたら側層菌糸には胞子の育成のために必要な何らかの成分や水分を蓄える役割があり、十分に胞子を育成した段階で自己融解酵素が働き消失するのではないか、なんて考えています。

Fig.1 Fig.2


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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