アマチュア菌学の活性化に必要な仕掛けを考える

先週末は大阪市立自然史博物館の菌類学講座2016として表題のシンポジウムが開催されました。パネリストは出川洋介氏(筑波大学)、佐久間大輔氏(大阪市立自然史博物館)そして私で、コメンテーターは井口潔氏でした。

私はアマチュア代表ということで登壇し、観察記録がなぜ重要なのか、どのように記録するのか、どんなところで記録を公表するのか、他の研究者などとどのように連携するのかの4つのお題について私見を述べ、事例の紹介をしました。

特に日本産既知の普通種の観察が重要であることで、アメリカウラベニイロガワリを例に、ひとつのきのこの和名には実は複数の未知種が紛れ込んでいる実例を紹介し、全国規模での観察記録の蓄積がなされるべきと強調しました(Fig.1-2)。

イギリス菌学会には、菌類相の報告に特化したジャーナルがあるのだそうです。日本にはそのようなものは存在しないので、新たなジャーナルを創刊するのがよいのではないかという意見もあり、それが実現すればアマチュア菌学が活性化するのは間違いないだろうと思います。今後どのような動きになるのか注目していきたいところです。

※写真は谷口雅仁氏に提供していただきました。

Fig.1 Fig.2


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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