道具いろいろ

ちょっと前に製作したマイクロメスは針を研いで作ったものですが、かさ表皮などを薄く剥ぎ取る用途では刃の厚さが災いしてあまり思ったような結果が出ませんでした。そこで思いついたのが、両刃剃刀を細く割ってピンバイスに装着したヤツです(Fig.1)。写真のものはお試しでラジオペンチと指で割ったものなので無格好ですが、今はより細くスマートに割ることができるようになりました。実体鏡の下で表皮を剥ぎ取って見ましたが、細かいコントロールができ、良好な切片が得られました。

Fig.2は、下段が昆虫用の柄付き針の先端、中断はごく普通の裁縫針、上段は裁縫針をさらに細く鋭く仕上げたものです。やはりピンバイスにセットします(Fig.3)。菌糸のデータを取る 場合は如何に菌糸をバラせるのかがポイントとなりますが、切片にカバーグラスをかける前に、両手に持った針であらかじめ菌糸をほぐしておくのです。

Fig.4は安物精密ドライバーにシリコン製ピンセットキャップを装着したものです。きのこ観察の常套手段、消しゴムでカバーグラスの上から切片を押しつぶす方法では、カバーグラスに消しゴムの跡がついてしまうのが精神衛生上よろしくなかったのですが、シリコン製ピンセットキャップでは跡がつくことはなく快適です。さらに先端が細いので顕微鏡を覗きながらピンポイントでバラしたいところを押すことができます。

Fig.5はカバーグラス用に用意したピンセットで先端を刃物並みに薄くしてあります。面でつまめるように先端のカーブを調整し、内側はガラスを傷つけないように鏡面仕上げとなっています(Fig.6)。

Fig.1 Fig.2 Fig.3
Fig.4 Fig.5 Fig.6


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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