ホロタイプ候補

自分なりに理想のホロタイプ像というのがありまして、その条件は典型的で美しいこと、ある程度成熟していること、乾燥標本やDNAの状態が良好であること、納得のいく写真記録が残っていることなどです。

下に示した赤いイグチはすでに30標本以上収集しましたが、上記条件を完璧に満たしているものはありませんでした。しかし、今シーズンになってようやく納得できるものが採集できました。

Fig.1は8月13日に発見した幼菌ですが、欲しいのはある程度成熟したものなので、中1日おいて回収することにしました。FIg.2が翌々日の状況で、大変良好な状態で成長していました。この日はこれひとつのみ採集し、持ち帰ってから5時間かけて全体から細部まで克明に写真撮影を行い(Fig.3)、半分は冷凍乾燥、半分は温風乾燥の処理を施しました。

Fig.4は8月16日に別の観察地で発見した幼菌で中3日おいて回収に行きましたが、なんと誰かに採られたらしく影も形もありませんでした。人生最大級の「がっかり」でしたが、なんとなんと、別の場所で非常によい成菌を発見しました(Fig.5)。これひとつを採集し大急ぎで帰宅して、やはり5時間かけて克明に撮影し(Fig.6)、乾燥処理をしました。

これら二つのうちDNAデータがより良好なものをホロタイプとするつもりです。とある方に「なかなか論文書かないね」なんて言われてるようですので、ここで公言して背水の陣で取り組みたいと思います。

Fig.1 Fig.2 Fig.3
Fig.4 Fig.5 Fig.6


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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