引用文献の書式 2

前記事[引用文献の書式]において記述した内容について大変ありがたいご指摘をいただきました。感謝いたします。再度整理して記述します。

まず第一は[投稿先の規定に則るのが基本]です。これまでは、先行研究に於いて該当文献がどのように引用されているのか、はチェックしてきましたが、投稿規定を熟読したことはありませんでした。日本菌学会が発行するMycoscienceの投稿規定は以下から閲覧できます。

https://www.elsevier.com/journals/mycoscience/1340-3540/guide-for-authors

投稿規定には引用文献の具体的な例、ジャーナルを引用する場合、単行本を引用する場合、単行本の章を引用する場合などが記述されています。

2012年の[国際藻類・菌類・椊物命吊規約(メルボルン規約)]以降大きく変わったのは電子出版物を引用する場合です。電子出版された論文には固有の番号(デジタルオブジェクト識別子:DOI)が与えられますが、Mycoscienceの投稿規定ではそのDOIを併記するように勧告されています。前記事で例に挙げたWu et al. 2015をMycoscienceにおいて引用する場合は以下のようになります。

Wu G, Zhao K, Li YC, Zeng NK, Feng B, Halling RE, Yang ZL, 2015. Four new genera of the fungal family Boletaceae. Fungal Diversity. http://dx.doi.org/10.1007/s13225-015-0322-0.

ちなみに日本菌学会会報の投稿規定に合わせると以下のようになるはずですが、投稿規定には最近の電子出版物の引用例が挙げられていないので、何かの機会に質問してみたいところです。

Wu G, Zhao K, Li YC, Zeng NK, Feng B, Halling RE, Yang ZL (2015) Four new genera of the fungal family Boletaceae. Fungal Divers. http://dx.doi.org/10.1007/s13225-015-0322-0.

第二としては、前記事で例に挙げたFig.1のAPAの書式はNGとのことです。Wu et al. 2015のDOI http://dx.doi.org/10.1007/s13225-015-0322-0 にアクセスすると該当論文のページを閲覧できますが、現時点ではジャーナルの号数が書かれておらず、ページ番号のみ[pp 1–24]と書かれています。Fig.1のAPAの書式はGoogle Scholarの検索結果から自動的に生成されたもの思われますが、ジャーナルの情報を示す箇所には[Fungal Diversity, 1–24.]となっており第何号なのかが記述されていません。したがってこの書誌情報では該当文献にたどり着けないということになってしまいます。赤字で示した2つの引用文献記述例では[何号の何ページ]が記述されていませんが、DOIを併記することで確実に該当論文にたどり着けるようになっています。

2014年のFungal Diversityには号数が与えられているので、いずれ Wu et al. 2015 にもジャーナルの号数が追記されることになるのでしょう。それにともないページ番号も変更になるかもしれません。いざ本番で引用文献を記述する際には再チェックする必要があります。

Fig.1


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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