helical wall thickenings

ウスキニガイグチTylopilus alkalixanthusは、コスタリカと日本から報告された種(Amtoft et al. 2002)ですが、その原記載には子実層托実質側層菌糸に「helical wall thickenings(螺旋状に肥厚した細胞壁)」があるとされています。本サイトの記載でもFig.1-2の写真をもってその形質があったとしましたが、ちょっと引っかかる点があったので再検討してみました。

Fig.3を見ると側層菌糸に模様があることが見て取れますが、乾燥時に生じた皺に見える部分もあります。その部分を拡大したのがFig.4です。やはり皺とみていいでしょう。それとは別に明らかに皺ではない螺旋状の模様が認められました(Fig.5)。この模様はコンゴーレッドで染まり、どうやら細胞壁の内側に存在するようです。螺旋状という点は原記載に一致しますが、原記載の顕微鏡写真には螺旋が外側に膨らんでいるようすが映し出されています。ちょうどFig.6の様な感じです。ただこれをよく観察すると、やはり皺であると結論せざるを得ませんでした。

コンゴーレッドで染まる螺旋状の模様は原記載にあるhelical wall thickeningsなのか、あるいは日本産は別系統であるのか、興味は尽きないところです。ちなみにある標本では螺旋状ではなく斑状の模様が認められるものもありました(Fig.7)。さらには、全く別の属の種にも同様のものが見つかっています(Fig.8)。

引用文献
Amtoft A, Halling RE, & Mueller GM, 2002. Tylopilus alkalixanthus, a new species of Boletaceae from Costa Rica and Japan. Brittonia, 54(4), 262-265.

Fig.1 Fig.2 Fig.3
Fig.4 Fig.5 Fig.6
Fig.7 Fig.8


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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