類似標本の比較検討 標本No.BTS-013B,017A,025A PDF版はこちらから bts13b17a25a.pdf 1MB 標本BTS-013B,017A,025Aはいずれも赤みを帯びた傘をもち、管孔が短く、柄の基部が膨らむという特徴を持った大型のイグチである。BTS-025Aは典型的なニセアシベニイグチと思われるが、対して他2標本がどうなのか検討した。 |
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BTS013B | BTS017A | BTS025A |
全体に赤みが強い。 | 柄の青変が強い。 | 典型的なニセアシベニイグチ。 |
柄の上部まで赤みが強い。網目がある。 | 柄の上部は黄色い。網目がある。 | 柄の上部は黄色い。網目がある。 |
管孔は短く、肉は青変する。 | 管孔は短く、肉は強く青変する。 | 管孔は短く、肉はわずかに青変、後退色。 |
傘表皮菌糸。複雑に絡み合う。 | 傘表皮菌糸。複雑に絡み合う。 | 傘表皮菌糸。複雑に絡み合う。 |
検鏡図の比較
傘表皮先端細胞:025Aの菌糸が若干太く先端がシスチジア状になっている。 側シスチジア:各標本類似した形状、大きさは若干異なる。 縁シスチジア:025Aのみ丸みを帯びた形状。 柄表皮シスチジア:各標本とも全く異なる。017Aには大型の物が多数見られた。 担子器:013Bが若干大きいようだ。 胞子:各標本とも類似した大きさだが、025AはQ値が低い。
3標本に共通しているのは、管孔が短い、柄に網目がある、傘表皮菌糸構造、側シスチジアの形状等で、管孔が短いという特徴から中国真菌志による短管牛肝菌組に属するものと考えられる。013Bはチーズ臭があったのでニセアシベニイグチの可能性を疑ったが検鏡により別種であることが判明した。017Aは肉眼的特徴からも別種であると判断できるがやはり検鏡所見でもニセアシベニイグチとは異なると判断できる結果となった。
試薬反応比較表 |
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