胞子測定の落とし穴
胞子やシスチジアのサイズ測定は、撮影した画像から計っています。対物ミクロメータを同条件で撮影し基準となるデータを取得、胞子の大きさを割り出すという方法です。具体的にはPhotoRulerというソフトウェアを使います。
しかし、この方法に落とし穴がありました。胞子サイズ測定に於いて最も重要なのは「無差別に計ること」と言えます。測定する胞子を撮影するという行為は「見栄えの良い胞子を選別する」と同義である可能性があるのです。
私は映像屋ですので「絵になる物を撮影する習性」が体に染みついています。ゆえに今まで撮影してきた胞子は見栄えの良い大きなものが中心になっていた可能性があります。
さらに、Fig1のように担子突起の向きを考慮して測定する胞子を選んでいたことも「より見栄えのいいものを選定」に拍車をかけたといえましょう。
今回改めて行った胞子測定のための撮影に於いて「絵にならなくても撮影」に注意し、得られた結果は、以前測定した数値よりも小さい数値となりました。
今回の値
(11.2-)12.5-14.1(-15.2)×(3.4-)4.5-5.1(-5.6) 平均13.3×4.8 N=500
過去の値
(11.9-)13.0-14.7(-16.4)×(4.3-)4.6-5.0(-5.4) 平均13.9×4.8 N=100
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