スナジホウライタケ
Fig.1は昨年の石垣島調査で採集されスナジホウライタケとされたもので、科博から借り出して検討することになりました。採集会やフォーレでは、一度に数多くの標本を処理しなくてはならないということもあり、どうしても標本の扱いが雑になりがちです。標本袋を開けると基質の植物とともに砂に埋もれた子実体があり、実体鏡をのぞきながら子実体ひとつひとつを拾い上げていく作業からのスタートとなりました(Fig.2)。
スナジホウライタケは海浜生のイネ科植物に発生するきのこで、もともと砂まみれになって発生していたと思われますが、採集から乾燥までの間に、さらに砂の付着が顕著になってしまうのでしょう。ひだの間まで砂が入り込んでいます(Fig.3)。砂の粒を丁寧に取り除いた後ようやく顕微鏡で見ることができます。長野は海無し県なので、一生縁のないきのこと思っていましたが、良い機会に恵まれました。
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