樹脂状物質
さて、再び極小きのこを観察する日々が続いています。Fig.1は、かさ表皮の構造を見ようとして切り出した切片で、アンモニアで柔軟化しマウントしたものです。かさ実質とは明らかに分化している層があります。写真では黒っぽく写っていますが、実体顕微鏡では白い層でした。おそらく気泡が存在するために、透過光では黒っぽく見えるのでしょう。
この黒っぽく見える層がどのような菌糸構造を持っているのかを見なくてはならないのですが、KOHやアンモニアではどうすることもできませんでした。ところがMelzer液を加えてみると、Fig.2の様に油の球のような状態に変化しました。最終的にはFig.3のようになります。
カバーグラスの上からつついてみると、粘度があったので、まさに油ではないのかと思えました。「油ならばエタノールや食器用洗剤で溶解するはず」と思ってやってみたところ、良い結果は得られませんでした。「Melzerで除去してから観察」が現実的と考えられますが、きのこの組織はMelzer液中でしぼんでしまうことが多いので、うまくいくとは限りません。
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