動画で理解するPCR
DNAに関する書籍にはたいていPCRについて記述がありますが、その文章と図だけでは、PCRにおいて分子レベルで何が起こっているのかを正確にイメージするのは難しいのではないでしょうか。私自身も実際にPCRを行っていても、なぜ塩基配列の特定の範囲だけを増やすことができるのかを把握していませんでした。
そこでより正確な理解のためにPCRの行程を模式的に動画にしてみました。まず基礎知識として押さえておきたいのは、塩基は対になる相手が決まっていると言うことです。AはTと、CはGと結合します。
最初に元になるDNAの2本鎖があり1本鎖に分かれます。そこにプライマー(黒い四角で囲ってある)が結合し、プライマーを土台として塩基が次々と結合していきます。塩基は相手の配列が存在するかぎりどこまでも連なるようです。
最初の2ステップでは塩基は目的の領域の外まで結合していきますが、3番目のステップから、2つのプライマーにはさまれた範囲が沢山増えている様子がわかります。1ステップで2倍になりますが、40ステップ行えば天文学的な数に増えるのだということを容易に想像できます。
動画で用いた配列は実在のものですが、プライマーは適当に選びました。こんなプライマーはあり得ない!という突っ込みは無しでお願いします・・・。
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