アニリンブルー 菌類懇話会で斡旋している試薬の中にアニリンブルーがあります。斡旋の際の説明には「膠原線維(コラーゲン)を染色。細胞壁の染色」とあります。アニリンブルーを持ってはいるものの、一度も使ったことがなかったのですが、胞子を染めるとどうなるのかやってみました。Fig.1はイグチの一種の胞子で、乾燥標本の子実層を水で戻しアニリンブルーを加えたものです。この状態では、青く染まった周りの細胞の色が強いため胞子が染まっているのか判断できないです。そこでマウント液中を漂う胞子をとらえたのがFig.2です。 青く染まる胞子とそうでないものが混在しています。また細胞壁というよりも内容物が染まっているように見えます。ちなみにアンモニアを用いてあらかじめアルカリ処理を行った場合は、青く染まる胞子はありませんでした。
「メチルブルー」と「ウォーターブルー」を混合したものが アニリンブルーWS(別称 アニリンブルー、チャイナブルー)です。ただ「メチルブルー」と「ウォーターブルー」の水溶液単体をそれぞれアニリンブルーと呼ぶことがあるようです。さらに「ウォーターブルー」の別称としてアニリンブルー(水溶性)が挙げられています。「アニリンブルー」と書かれているときに何が指されているのか、要注意のようです。 追記:さらにアニリンブルーには水溶性のものとアルコール溶性のものがあり分子式も異なっていると教えていただきました。使用した「アニリンブルー」が水溶性のものであればウォーターブルーと同一なのかもしれません。ウォーターブルーはコラーゲンを青く染色するとのことです。 余談ですが、新しく導入したカメラEOS Kiss X50は、シャッターの構造が先幕レスということで、シャッターを速く(1/60〜1/100程度)しても、画像がぶれないため、マウント液中で動き回る胞子を簡単に撮影できるようになりました。これまではシャッタースピードは1秒と決めていましたが、今後はシチュエーションにあわせてシャッタースピードを変えることになるでしょう。 |
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Fig.1 | Fig.2 |