Focus Stacking
Focus Stackingとは焦点合成、深度合成などと呼ばれている画像処理方法のことです。被写界深度が浅い(ピントが合う範囲が狭い)像を複数積み上げて合成する手法で、撮影の際にはピント位置をずらしながら5から50枚程度の画像を撮影します。特に小さい被写体の場合に有効な方法です。
撮影の際に微妙にピントを送っていくための手段が必要となりますが、被写体となる試料をおくためのステージとしてレンズがお手軽です。これはツイッターに生息するレンズマニアの方がやっているのを見て真似しました。
ちょうど古いカメラを捨てずにとっておいたものがあったので使ってみました(Fig.1)。Fig.2は実際の撮影風景でピントリングを回すと被写体が微妙に上下します。FIg.3は作業机の全体像です。実体顕微鏡を用いた撮影でもいいのですが、高倍率の場合、カメラを通して撮影したい部位を探すが困難であるため、実体顕微鏡は被写体観察専用としてあります。
FIg.4-6は撮影した素材の一部でピントが合っている場所が異なっています。このような画像を多ければ数十枚用意して合成するとFIg.7のようになります。画像の幅が17mmです。さらに倍率を上げたものがFig.8です。画像の幅が5mmです。アメリカウラベニイロガワリ類似種の柄の根本付近にある菌糸体(Basal tomentum)で乾燥標本から観察することができます。この形態、形や色あるいは顕微鏡的データがある程度系統を反映していることが分かっていますのでほぼ全ての乾燥標本を撮影し比較検討を行っていくことになります。
Fig.9はピンセットの一部分です。レンズを絞り込んで撮ればこれに近い深度が深い像は得られますが、小絞りボケによってもっと甘い画となってしまいます。
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