胞子を深度合成で

顕微鏡を使い始めたのは2008年ですが、当初から胞子の深度合成について興味はありました。当時試したソフトウェアがなんだったのか忘れてしまいましたが、大きな画像を扱うとものすごく重くなったことと、結果が良好でなかった記憶があります。加えて、深度合成画像は論文では使えないという見解があったため、以降試すことはありませんでした。

しかし最近は優秀なソフトウェアと高いCPU処理能力のおかげで十分実用になってきたようです。すでに昆虫の分野では深度合成は当たり前になっているようで、テクニカルノートの論文も存在するようです。

菌類に関してもいずれ深度合成は当たり前になると予想して今のうちにノウハウの蓄積をしておくことにしました。子実体標本写真ではすでに大作さんが実践しておられ良好な結果を出していますが、顕微鏡写真となると「あやしいきのこさん」がやっているくらいでしょうか。

使っているソフトウェアは「Zerene Stacker」というもので、大変良好な結果が得られます。私が編み出したNRSは、自然な絵柄とリアルタイムで結果が得られる点はなかなかすぐれていますが、特にカラー撮影では像が甘いことが欠点でした。以下に深度合成の作例を示しますが、よほどの微細構造を見るのでなければSEMの必要はないといって差し支えないレベルです。

Fig.1
ベニイグチ
Fig.2
ミヤマムラサキフウセンタケ
Fig.3
ニセショウロ属


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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