標本撮影を背景からの透過光を使った白バック(fig1)で行ってきましたが、いくつかの問題があるため黒バックに変更しました。また、料理撮影等で使われるテクニックも導入してみました。
背景に無反射布を用いた黒バック撮影では何の問題もないかというとそうでもありません。ヤマイグチを撮影してみると(fig4)黒バックでは、柄の輪郭の粒点が表現できていません。(fig6)で拡大比較。また、(fig7)のように黒っぽい傘も背景との境目がつぶれてしまいます。
そこで、補助光として小型の鏡を配置し(fig8)、暗部を浮かせます。(fig9)は、石突きの部分が沈まないよう補助光で浮かせた例です。それ以外に管孔部を明るくし傘の丸みが立体的に見えるよう逆光気味に補助光を当てています。
(fig10)ではオニイグチモドキの傘鱗片が背景にとけ込むことなく表現できています。(fig11)は、傘に粘性がある標本ですが、補助光によりテカりを出し、粘性のある質感を表現しています。
白バック、黒バック共に背景をきれいにしたものを並べました。共に一長一短でどちらを良しとするのかは好みの問題と言えそうです。