北陸3県合同観察会

富山、石川、福井の合同観察会が菌類懇話会井口顧問を招いて開催されました。北陸のきのこ図鑑刊行にあたり協力された方が沢山おられるということで、意欲的な観察会であったと感じています。

井口顧問が採集されたカモシカの糞に発生する盤菌類は、日頃の自分の目ではなかなか見つけられないものです。どんなところにも有機物を分解する菌類がいるということを感じさせる物でした。

ハナイグチに3タイプの物があるということは良く知られているようですが、傘の色が濃いタイプが採集され井口顧問によりハナイグチSuillus grevilleiではなくSuillus clintonianusであるとされました。ヨーロッパの図鑑Fungi Europaeiを初めて見たときから傘の色が濃いタイプはSuillus clintonianusではないのかと思っていましたがやはりそうであったのかと改めて確認できました。文献によれば胞子の大きさが違うとされています。両者の胞子を見ることはたやすいでしょうが、最新の分類ではSuillusはイグチ科から独立しヌメリイグチ科となっていますので、やはり後回しということになりそうです。

カモシカの糞に発生する盤菌類
画像の長辺が約1cm
ワタゲヌメリイグチ
傘に綿状鱗片を付着している。
ハナイグチ
2006年長野市内で撮影。左の黄色いタイプは別種とされる物かもしれない。
Suillus clintonianus?
2006年長野市内で撮影。


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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