菌類懇話会ゼミ

先週末はかわさき宙と緑の科学館において菌類懇話会ゼミが行われました。演題は3つあって、きのこと放射性セシウムについてとクロチャワンタケ類似種について、それから私のイグチの最新知見についてでした。自身で演者となるのは2010年以来で、そのときはまだ未記載種だったモウセンアシベニイグチとアシベニイグチの徹底比較でした。今回は、詳細な形態的データをもってすればDNA解析と同等の分類が可能ということを示しました。

DNAを調べることで明らかになったのは「形態的に明らかな差があれば、その形態は系統を反映している」さらに「わずかな形態の差であっても、それが系統を反映している形質であれば、それを形態分類に用いることができる」ということです。このことは完全な隠蔽種が存在した場合には通用しません。しかし、隠蔽種として扱われてきたものには、実はほんのわずかな形態的な差があったという例もあるようです。完全な隠蔽種は存在するのか?少なくともBoletusには隠蔽種は存在しないという仮説のもとで、調査を進めていきたいと考えています。



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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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