BLASTの結果から怪しいデータをはじく

先週末は菌類懇話会のゼミで、丸1日時間を使った講義を行いました。過去の菌学会大会アマチュア展示にて発表した内容、最近もっとも力を入れているアメリカウラベニイロガワリ周辺の新事実などを交え午前11時から午後4時半ころまでみっちりイグチオンリーの講義となりました。

菌学会大会でのポスターに「GenBankのデータを検証してみた」というのがありまして、そこでは「誤同定のままデータベースに登録されているDNAデータを洗い出してはじくことができる」ということを示しました。

ちょっと前に「ベニタケのように同定が難しい分類群のDNAデータは、誤りが多すぎて使い物にならないのではないか」という声がありましたので、ドクベニタケを例に検証してみました。

下の図で、上のピンク色の四角で囲まれたのがドクベニタケRussla emeticaのクレードです。その中には赤色で示したR. cremoricolorやR. bicolorが混在しています。単純に多数決ではないですが、これらは誤同定であると予想できます。

系統樹の下方を見ると、水色で示したR. bicolorのクレード、黄色で示したR. cremoricolorのクレードがあります。最節約的に考えれば赤色で示した5つの標本が誤同定であるとするのが妥当です。

図のPDF版へのリンク

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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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