胞子の新しい検鏡法

ひょっとしたら全然新しくもなく、むしろ邪道なのかもしれませんが面白いことを発見したので書きます。今まで胞子を観察する時、油侵100倍輪帯照明で見ることが多いのですがドライマウントの物は乾燥40倍明視野で済ませていました。ドライマウントで検鏡すると胞子内部の構造が透けて見えないアウトラインを観察することができますが、乾燥40倍明視野での撮影は満足のいくものになりません。

そこで油侵100倍輪帯照明でドライマウントを見ることに挑戦してみました。カバーグラスをセロハンテープでスライドグラスに固定し(この方法は「きのこ雑記」に書いてあったと思います)レンズを油侵にします。まず明視野で観察。撮影してみるとそこそこの画像が得られました。

次に照明を輪帯照明にしてみましたがなぜかうまくいかず、仕方なく偏斜気味にセッティングしてみるといまいちぱっとしない画像です。原因はドライマウントはカバーグラスとスライドグラスの間に空気が存在するので屈折率が変化してしまうためと考えられます。。

色々やっているうちにカバーグラスとスライドグラスの間にイマージョンオイルが侵入してきてしまったのですが、これが功を奏したようで輪帯照明がきちんとできるようになりオイルに浸かった胞子は水,KOHでの封入のように内部構造が透けて見えたりせず,ドライマウントで見たときと同じような姿を観察することができました。

撮影した写真にはイグチの胞子の特徴である片側が凹んだ様子が鮮明に映し出されました。このオイルマウントの方法で見る胞子の姿は他ではあまり見られないものではないでしょうか。

ドライマウント
油侵100倍明視野
ドライマウント
油侵100倍輪帯照明(うまくいかないので偏斜ぎみになっている)
オイルマウント
油侵100倍輪帯照明
オイルマウント
油侵100倍輪帯照明
オイルマウント
油侵100倍輪帯照明
オイルマウント
油侵100倍輪帯照明
オイルマウント
油侵100倍輪帯照明

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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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