シスチジアの観察

 先日のゼミのポイントを整理すると、シスチジアの解剖学的分類では子実下層につながり担子器と同レベルにあるものを「レプトシスチジア(側シスチジア)」実質菌糸につながっているものを「シュードシスチジア(縁シスチジア)」ということでした。そこでニセアシベニイグチを検鏡しておさらいしてみました。暗視野で見れば菌糸がどうつながっているか分かりやすいのではないかと考え、すべて暗視野で見てみました。

 子実下層は具体的にどのような構造なのか井口顧問に質問すると「インスタントラーメンの麺のように細い菌糸がからみあっている」とのことで、fig1を見ると散開型の菌糸の先が細かく分岐し、担子器などにつながっている様子が分かります。fig2を見ると担子器と同じように並ぶシスチジアがありますが、これが「レプトシスチジア(側シスチジア)」fig3はさらに拡大したものです。

 fig4は管孔縁部ですが実質菌糸の分岐がシンプルです。その先に有る物が「シュードシスチジア(縁シスチジア)」ということでいいと思います(fig5)。fig6ではシスチジアの基部につながる菌糸が子実下層よりもすっきりしているように見えます。

 fig7は同じく管孔縁部ですが、今まで矢印のシスチジアを縁シスチジアとして記録してきました。詳細を検討すると(fig8)シスチジアの基部につながる菌糸が子実下層の様に見えます。fig9も管孔縁部付近ですが隣にある担子器と同じ状態で子実下層につながるシスチジアがあります。これらは「レプトシスチジア(側シスチジア)」であるとみなすべきなのでしょう。

fig1 fig2 fig3
fig4 fig5 fig6
fig7 fig8 fig9


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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