きのこが少ない秋
茨城県きのこ博士館菌類勉強会のための教材収集要請があったため採集に出かけました。今年は「きのこが少ない」と言われていますが、食用に大量に採るのでなければそこそこの種数が集まるものです。ムラサキシメジにしては色の薄いfig1や、紫色を帯びたフウセンタケの仲間fig2、カラカサタケfig3、シロエノクギタケfig4、ベニテングタケ、アカモミタケ、ネズミシメジ、ヤマイグチなど40種ほどの菌を無事送ることが出来ました。
採取したカラカサタケは妙に柄が短く、表面にだんだら状のささくれがありませんでした。ささくれは、柄が伸びるに従い表面がひびわれて形成されると思われますが、おそらく水分が少ないため柄を十分にのばすことができず、結果ささくれの無い子実体になったのではないでしょうか。例えば柄に網目をもつイグチでは、柄が短い物では明瞭な網目、柄が何らかの事情により長く伸びた物では縦長で不明瞭不完全な網目となりますが、柄の伸び具合で見た目が変化するということは他の菌でも起こり得ると考えられます。
今年最後の信州きのこの会採集会でも60種程度の菌が集められ、総量は少ないが種類はそこそこの数が発生していると確認できました。きのこ狩りの方々は「シモフリが出ない!ジコボウが出ない!」と嘆いているようですが、こんな時こそ食べられないきのこにも興味を持てば楽しいのに・・と思う今日このごろです。
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