ムラサキヤマドリタケは偽アミロイド?
ムラサキヤマドリタケの胞子紋を検鏡しました。カバーグラスに採取した胞子をドライマウント、水、KOHの順でいつも通り見ていき、最後にメルツァーを加え色の変化を見ると、予想に反して時間がたつにつれ胞子が赤くなっていきました。偽アミロイド反応のようですがムラサキヤマドリタケ胞子が偽アミロイドであるという記述は見たことがありません。
再度、濾紙の胞子紋から検鏡してみると偽アミロイド反応は見られませんでした。さらに乾燥標本内の胞子も同様で、これらのことから複数の標本を間違えて一つの袋にいれてしまった疑いがでてきました。カバーグラスに採取した胞子は別種のものではないのかということです。
当時の採集記録や写真を洗い直してみると、本標本を整理した期日付近で偽アミロイド反応を起こしそうな種(ヤマイグチ属など)は採集していませんでした。
「ムラサキヤマドリタケの胞子は何らかの原因で偽アミロイド反応を起こすことがあるのか?」という新たな疑問が残りました。
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