バライロウラベニイロガワリ

「研究所:イグチ科きのこの記載」にバライロウラベニイロガワリを掲載しました。国内で未報告の種の同定では「原記載がなされた年代が古く、他の参考とする文献の記載と併せてもなかなか同定できない例」が多々ありますが、新しく日本から報告された種については、同定は比較的容易であると思えます。原記載が詳細である以外に、産地が国内であるということが大きな要因ではないでしょうか。ホロタイプと産地が近ければ、多少の形態の差は「変異の範囲」または「発育ステージによる差」であると判断できます。

ホロタイプは必ずしも「その種を代表する典型」とは限らないと聞いています。今回の記載に於いて、胞子の大きさは原記載よりも大きな数値となっていますが、複数産地の10標本から900個あまりの胞子を測定し算出した値となっており、種の平均的な値であると言えそうです。原記載の数値がホロタイプに基づくものであれば、ホロタイプは完全に成熟していない子実体であると予想することが出来ます。

下写真は、今回の記載に未掲載のものです。

担子器 側シスチジア 柄頂部シスチジア
柄下部シスチジア 柄下部シスチジア
縁シスチジア 傘表皮のIncrusted hyphae 傘表皮


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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