PCR成功
これまでPCRが失敗続きだったのにはやはり複数の原因が存在していたようです。DNAサンプルはFTAカードという簡易にDNAを保存できるものを使っていおり、まず乾燥標本からDNAをサンプリングする際に使用する緩衝液が適切でなかったことが明らかとなりました。次に実験室に浮遊する菌類のコンタミを防ぐための処置をし、器具が汚染されていないかをチェックし、それでもなお、スメアが発生したり、ネガティブコントロールが増幅されてしまったりしていました。
増幅を試みたDNA領域は菌類でよく使われているrDNAのITS領域でしたが、ここで心機一転ラージサブユニットの増幅に切り替えたところ、72サンプル中40以上が問題なく増幅されました(Fig.1-2)。全ての原因はITS用のプライマー(DNA増幅の土台となる短い塩基配列)にあったことが明らかとなったわけです。ようやく軌道に乗るところまでこぎ着けました。
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