2013年の総括

早々に夏のイグチ終了宣言をし今シーズンを振り返ってみます。おおざっぱな傾向として、亜高山帯針葉樹林は発生が芳しくなく、比較的標高が低いある特定のアカマツ、ミズナラ混成林では数回に分けて爆発的な発生が見られました。

特筆すべきこととしては、各地でこれまでに見たこともないような種がいろいろ見つかっているということと、これまで発生例が無いあるいは少ないものが大発生したということがあげられます。

Fig.1はかさ表皮がNH3で橙色に変色するニガイグチ、Fig.2はチャニガイグチに似るものの、そうとは言い切れないニガイグチ、Fig.3は新菌類図鑑でいうところのアメリカウラベニイロガワリ、これらは数年間通い続けた観察地での初記録となっています。

Fig.4はヌメリニガイグチに近いと思われ初めて見るもので、Fig.5は5-6年前に1度だけ見かけた全く不明のBoletus、Fig.6はヒイロウラベニイロガワリで珍しくまとまった数が発生しました。

子実体を形成するということはもともと菌はそこで生活していたのだと考えられますが、自身に都合がよい気象条件の年だけ発生するのだとすれば、その間隔が数年とすれば、同一の観察地を10年以上調査しなければすべてを把握することはできない、ということになりそうです。

Fig.1 Fig.2 Fig.3
Fig.4 Fig.5 Fig.6


前へもどる次へ
牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










無料カウンター