崩壊するシスチジア

分類学の文献を読んでいるとシスチジアの項目に soon collapsing などと書かれていることがあります。シスチジアは崩壊しやすいということですが、具体的にはどういうことなのでしょうか。

Fig.1は、とある種の成熟した子実体の管孔縁部の縦断面です。縁シスチジアは有るようにも無いようにも見えます。倍率を上げてみたのFig.2です。実質内部から散開してきた菌糸Lateral stratumの先には本来ならば縁シスチジアが存在するはずなのですが、この例では、ぐちゃぐちゃに壊れた組織が見えるだけです。これらは崩壊した縁シスチジアなのか?これを確認するためには同一種の若い子実体が必要となります。Fig.3が若い子実体の縁シスチジアです。

これらを見る限りでは、縁シスチジアは子実体の成熟とともに崩壊するといえそうですが、Fig.2は、単に標本を取り扱う際に指でつぶしてしまった可能性もありますので、さらに追加標本を検討すべきでしょう。

Fig.1 Fig.2 Fig.3


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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