高倍率マクロ撮影による細部の記録

マクロ撮影の倍率とは、1cmの被写体が撮像面に1cmの大きさで投影される時に等倍(1倍)ということなのですが、ここでいう高倍率はせいぜい3-4倍の話です。

FIg.1のベニタケを用いて作例を紹介します。深度合成を施してあります。Fig.2はひだの拡大像で、縁にシスチジアらしきものが確認できます。Fig.3はかさとひだの縦断面で、Fig.4はトリミングしたものです。子実体を構成する細胞の様子がわかります。子実層には担子器や胞子、さらに子実層から分化した子実下層が見え、実質は類球形細胞であること、かさ表皮最上層にはシスチジアらしきものがあり、最上層から明瞭に分化した表皮下層は淡い緑色であることを観察することができます。

Fig.5は柄の頂部の拡大像です。表面はざらざらした質感で、柄シスチジアがあると予想されます。表皮の縦断面を見ると(Fig.6)やはり柄シスチジアが密集しているようです。

顕微鏡観察の前段階で子実体の構造を理解しておくと、何をどう観察するのかが見えてくるのではと思います。

Fig.1 Fig.2 Fig.3
Fig.4 Fig.5 Fig.6


前へもどる次へ
牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










無料カウンター