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胞子測定における胞子の向き

2009年3月6日の「覚え書き:胞子の測定」では、胞子測定に於いて「胞子の向きを考慮したほうが良い」としました。具体的にはFig1のように担子突起が中心線の左右どちらかに見える状態のもののみを測定するということです。Fig2は、y軸で90度程度回転した状態と言えます。「胞子の向きを考慮したほうが良い」としたのは点線xでの断面が正円でないと考えたからです。

しかし、Fig1のような向きの胞子のみを選んでいると無意識のうちに「見栄えがよい胞子のみを測ってしまう傾向」が出てくると考えるようになりました。ポイントとなるのは「点線xでの断面がどの程度、正円と異なるのか」です。

下写真Fig3,Fig4はx軸で10度から15度程度?回転した胞子です(被写界深度を求めれば何度傾いているか割り出せそうですが省略します)。点線yでの断面は楕円形ですので胞子が傾いていれば、担子突起のある側にピントが合った時、反対側はピントが合わずぼけます。

下写真Fig5,Fig6ではFig1のように担子突起が見える物とFig2のようにy軸で回転した物が並んでいます。いずれも胞子輪郭部全域でピントが合っています。

このことから「胞子の点線xでの断面は、y軸で回転した時ピントに影響が出るほどの楕円ではない」といえます。胞子輪郭の右側にピントが合って、左側がぼけているという状態を一度も見たことがありません。

当然、点線xでの断面は完全な円ではありませんからy軸での回転量が変化すれば幅の測定値も変化はずです。しかし、その差違はわずかであると考えられ、N=100で標準偏差を求めれば、偏差の範囲に収まる程度と想像できます。

結論は「とにかく何でも無差別に測れ」となりました。

※イグチ属のみでの検討ですので他分類群でどうなのかは分かりません。

Fig3 Fig4 Fig5
Fig6

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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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