ピンセット

Twitterにはトンでもない方々が生息しています。例えば顕微鏡を20台以上所有している方とか、「息をするようにレンズを買う」方とか、なかなか面白いものです。で、最近知ったのはピンセットを100本単位で持っているという昆虫屋さんで、その方が発信しているピンセット情報をみていると、用途別に特殊なものをもっていてもいいのかなと思うようになったわけです。

3年ほど前にMycenaなどの極小きのこを見る必要が出てきたときに、精密な作業用途としてFig.1の3本を入手しました。それぞれ先端の太さを微妙に変えて研いであります。で、最近入手したのがFig.2の3本です。首が曲がっていて先端が扇状に広がっているものがありますが(Fig.3)なかなかユニークな形状で、一体こんな形のピンセットを何に使うのかというと、ミクロトームに装着したピスをとりだすために使います(Fig.4)。

これまでは先端が尖った雑用ピンセットで無理矢理作業していました。手元が狂うとピスを穴の中に落としてしまったり、ピスをぼろぼろに砕いてしまったりと具合が良くない状況でした。これで作業がやりやすくなります。

Fig.2の中段はカバーグラスを拾い上げるために用意しました。通常ピンセットの内側を研ぐのは御法度とされているようですが、カバーグラスを傷つけることがないように、内側を研磨してほぼ鏡面仕上げになっています。

Fig.2の上段はくちばしが長く作られた製品で、これも特定の用途のために用意しました。DNAサンプルをチューブから取り出すときに使います。チューブの奥まで届くのでブヨブヨでヌルヌルの組織片を確実につまみだすことができます(Fig.5)。雑用のピンセットでは途中までしか届かないのですが、まるで「鶴にスープをごちそうされた狐」のような状態です(Fig.6)。以前はチューブを逆さにして振り回し、フタにくっついた組織片を拾い上げるというめんどうな作業でしたが、これも改善されることになりました。

Fig.1 Fig.2 Fig.3
Fig.4 Fig.5 Fig.6


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牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










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