続アンモニアの呈色反応5
キヒダタケの仲間はイグチであるにもかかわらず管孔ではなくヒダを持ちます。Fig.1-2は亜高山の針葉樹林に発生するタイプのものですが、これまでに真剣に観察したことはありませんでした。
最近局所的にブームとなっているアンモニアでの呈色反応試験の結果「イグチを見たらアンモニアを近づけろ!」という不文律が確立されましたので、キヒダタケでもやってみました。結果はFig.3の動画の通りでした。NH3できれいな緑色に変色します。
はて?どこかで見かけたはずと記憶を辿ると「北陸のキノコ図鑑」にミヤマキヒダタケ Phylloporus pelletieri (Lev.) Quel. が掲載されていました。従来ならば「ふーん、ミヤマキヒダタケなんだ」で話は終わってしまうところですが、菌類の遺伝的系統を調べ始めた身としては、これで終わらせるわけにはいきません。
果たしてミヤマキヒダタケ= Phylloporus pelletieri なのか? 地理的に隔離されたもの同士は、見かけがそっくりでも系統的には別ものと考えるべきなのかもしれません。
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