続アンモニアの呈色反応6

兵庫県から沢山の標本が届きました。種数は2種ですが量が充実しているのです。沢山標本があると遠慮無しに思いっきり試薬を振りかけることができます。1種はヒイロウラベニイロガワリ(Fig.1-2)で、なかなかレアな種です。

例によって傘にアンモニアを近づけてみましたが、どうやらNH3では反応が無いようです。それでも念のために滴下してみるとゆっくりとNH3に反応していきました。反応に時間がかかるのでFig.3の動画は5倍速にしてあります。

NH3では、濃い緑色に変色することが確認できたわけですが、どうしてこんなにゆっくりなのでしょうか。

この呈色反応は色素に由来するものと考えられます。ヒイロウラベニイロガワリのかさ表皮は色素を持った菌糸がむき出しになっているわけではなくゼラチン質で覆われています。ということは、ゼラチン質がバリアのようになって、NH3が色素に届くまでの時間を遅らせているのではないでしょうか。

Fig.1 Fig.2 Fig.3


前へもどる次へ
牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










無料カウンター