陽性かくにん!

これまでは7月20日前後には亜高山帯のフィールドへ必ず行っていましたが、今年はそうはいきませんでした。3日間1歩も外に出ることなく、ひたすら標本の再検討やら、記載データのチェックやらをやっていました。

しかし、標本は手にはいるのです。我が調査員(妻)が採ってくるのはもちろんですが、今年は東北産夏のイグチ標本セットを送っていただけることになり、標本の数は例年以上に集まっています。

最近気になっているニガイグチが有りますが、それは昨年「続アンモニアの呈色反応3」で取り上げたものです。今年は長野県上田市産のものも採集でき、東北産夏のイグチ標本セットにも含まれていました。

このイグチはオクヤマニガイグチに非常によく似ていますが、アンモニアの蒸気NH3で赤くなり、液体NH4OHで最初黄色、数分後に緑色に変わるところが異なっていると考えています。Fig.1-3が東北産でFig.4-6は上田市産です。前者は傘の色が若干淡いのですがオリーブ色の色素が少ない分、反応も弱いようです。ということはオクヤマニガイグチとされた入生田産標本は、単に色素が少なかったため陰性に見えたという可能性があります。顕微鏡的データを含めた再検討が必要となります。

Fig.1 Fig.2 Fig.3
Fig.4 Fig.5 Fig.6


前へもどる次へ
牛肝菌研究所 by yuichi taneyama










無料カウンター